固定用量と体重換算用量
固定用量は全員に同じ量を、体重換算用量は体重に比例した量(mg/kg)を投与する。抗体では、体重の分布の両端で曝露に差が出る。
定義
- 体重換算用量: 体重に比例した用量。たとえば2 mg/kg。
- 固定用量: 体重によらず、全員に同じ用量。たとえば200 mg。
多くの抗体医薬は、母集団PKモデルによる曝露の比較を根拠に、体重換算から固定用量へ移った。体重の中央付近の患者では、どちらでも曝露はほぼ同じになる。
差が出るところ
曝露は、クリアランスや分布容積を通じて体重に依存するが、体重に比例はしない。そのため固定用量では、体重の重い患者で曝露が低く、軽い患者で高くなる。体重換算用量は、試験で確かめられた範囲に対して、逆の偏りを持つ。
pembrolizumabとnivolumabの公表モデルを、成人の体重分布に当てはめたシミュレーションでは、定常状態のトラフが下限を下回る患者が10%を超えたのは、pembrolizumab 200 mgで約150 kg以上(13.3%)、nivolumab 240 mgで約100 kg以上だった。体重換算用量は、初回の投与間隔で、軽い側が不利だった。これは曝露の比較であり、効果の比較ではない。
試す
曝露エクスプローラーで、これらの数値を体重別に調べられる。方法と限界は記事にある。
よくある質問
固定用量と体重換算用量で、曝露は同じになりますか。
体重の中央付近ではほぼ同じです。両端では違い、シミュレーションでは、固定用量で重い患者、体重換算用量で軽い患者のトラフが、試験の範囲を下回りやすくなりました。
体重が非常に重く曝露が低いと、効果も下がりますか。
そうとは限りません。抗PD-1抗体の曝露反応は平坦と報告されています。範囲の下限を少し下回ることが臨床で問題になるかは、曝露の比較では分かりません。