Ctrough(トラフ濃度)とは

Ctroughは、次の投与の直前に測る薬物濃度で、定常状態での投与間隔の中で最も低い濃度である。投与方式の比較に使うが、トラフだけでは曝露の全体は分からない。

定義

Ctrough(トラフ濃度)は、次の投与の直前に測る薬物濃度である。定常状態ではCtrough,ss(またはCmin,ss)と書き、投与間隔の中で最も低い濃度を指す。次の投与の直前に、前回の投与が最も消失した時点の濃度である。

他の曝露の指標との違い

  • Cmax: 投与間隔の中で最も高い濃度(ピーク)。
  • Cavg: 投与間隔の平均濃度。線形のPKでは、定常状態で投与速度をクリアランスで割った値になる。
  • Cmin: 投与間隔の中で観測された最小の濃度。通常はCtroughに近い。Ctroughは投与直前の測定値、Cminは最も低い値という定義の違いがある。
  • AUC: 投与間隔の濃度–時間曲線の下の面積。

投与間隔が重要な理由

平均曝露を同じにしたまま投与間隔を延ばすと、ピークは上がり、トラフは下がる。抗PD-1抗体の投与方式のシミュレーションでは、pembrolizumab 400 mg 6週ごとは、200 mg 3週ごとと平均濃度がほぼ同じで、トラフは低かった。トラフと平均濃度のどちらが適切な基準かは、曝露反応の関係で決まり、この解析では決まらない。tarlatamabの解析も、用量強度を一定にして間隔を変えたときに、同じ向きになることを示している。

関連する用語

投与間隔の表記(Q2W、Q3W、Q4W)、固定用量と体重換算用量。

よくある質問

CtroughとCminは同じですか。

通常はほぼ同じです。Ctroughは次の投与の直前に測った濃度、Cminは投与間隔の中で最も低い濃度です。静注の後で濃度が一様に下がる場合は一致します。

平均曝露が同じでも、投与間隔を延ばすとなぜトラフが下がるのですか。

同じ総量を長い時間にまたいで投与するため、次の投与までに濃度がより下がり、投与後にはより高く上がります。平均は変わりませんが、トラフは下がり、ピークは上がります。

Ctroughが低いことは、いつも問題ですか。

それだけでは問題と言えません。基準値より低いトラフが問題になるかは、その薬の曝露反応の関係で決まり、別に確かめる必要があります。トラフの比較は曝露を示すもので、効果を示すものではありません。

最終更新: 2026-10-28 · ツールと用語集